青色申告は税金が有利?
1.青色申告特別控除の適用
青色申告を選択して、簡易な記帳を行えば、青色申告特別控除という10万円の控除が適用され、10万円分だけ経費が増える制度があります。
つまり青色申告特別控除は税金計算上の架空の経費のようなものです。
普通は経費というと、誰かに給料を払ったとか、何か物を買ったとか、なんらかの経済行為があるから経費が生じるわけです。
しかし、青色申告特別控除はそういう実際の取引とは別に、経費として認められているのです。
さらに複式簿記による記帳を行うと、控除額が65万円になります。
税金がかなり軽減されることになりますので、非常に有利な規定になっています。
2.青色事業専従者
所得税では、生計を一にする親族に対する給料が経費として認められていません。
つまり、奥さんやお子さんに実際に仕事を手伝ってもらい、給料を払っても、経費にはならないのです。
しかし、青色申告者の場合は税務署に「青色事業専従者の届出書」を提出すると、親族に対する給料の支払が経費として認められることになります。
上記は、青色申告を行っていても届出をしなければ経費として認められませんので、ご注意ください。
届出の期限は青色申告と同じで、適用を受けようとする年の3月15日となっています。
3.損失の繰越控除
個人事業を営んでいる方のある年の所得が赤字だったとします。
赤字の年は所得税を納める必要はありません。
しかし、翌年が黒字だった場合は、その翌年は所得税を納めなければなりません。
ところが、青色申告者であれば、その翌年に所得税を納めなくてもよいか、納めるにしても税額が軽減されるのです。
なぜかというと、赤字を翌年以降3年間の黒字と相殺できるからです。
これを損失の繰越控除といいます。
仮に1年目が100万円の赤字で、2年目が50万円の黒字であれば、2年間での損益はまだ赤字の方が大きいので、2年目も税負担はゼロになります。
この損失の繰越控除も青色申告にのみ認めれている制度です。